「バタシードッグホーム」



イギリスというと、愛犬家ならほとんどの方が「動物愛護」という言葉が思い浮かぶのではないでしょうか。
私も初めてイギリスに行くと決めた時に、クラフトドッグショーだけを見学すのではなく、動物愛護協会を訪問することを真先に思い立ったものでした。
                 写真1
ロンドン近郊には「RSPCA」と「THE DOGS'HOME BATTERSEA 」(以下バタシー)という施設があります。他にも幾つかの団体があると思いますが、主となる施設はこの二箇所というところです。

「RSPCA」は動物の保護官制度(インスペクター)を設けて、野性動物の救助や愛玩動物の虐待に関する監視などに当たっています。
このことは日本でも知られており、私が10年前に訪問した折お目に掛かったインスペクターの責任者は、その後講演のために訪日されました。
               
今年は10年ぶりに「バタシー」を訪ねてみました。
テムズ川に掛かる橋下を利用して収容施設がありますが、現在隣接地に立派な新施設を建設中でした。
「バタシー」は赤い救助車〔写真1〕を所有し、通報があれば出向きます。
                                             
場合によっては飼い主に虐待を受けた犬や猫もいるとのこと。人間が一番残酷だと改めて感じました。見学をするには特別な予約はいりませんが、受付でささやかな見学料を支払って入ります。今回は大型犬が多かったような気がしました。
このような施設に収容された犬〔写真2〕は、どこの国の犬も皆同じ目をしているような気がして胸が痛みました。
一頭ずつ犬舎に入れられていますが、スペースはけっこうあります。入口には「PASSPORT-DOGS 」〔写真3〕が貼られ、スタッフが入れ代わってもその犬の大まかなことが一目でわかるようになっています。「バタシー」では里親希望の方に無料で犬を渡すのではなく、訳2万円くらいの料金で譲るというシステムです。
希望の犬と対面室で相性をみます。気に入ったからとすぐに連れかえるのではありません。せっかちはいけませんね。この日も何組かが対面室におりましたが、思わずよい飼い主にこんどこそ恵まれますようにと祈ってしまいました。 
         写真3
イギリスには、野性動物の保護ボランティアの方もおります。住宅街で、庭先に何かしら字の書いてある白い車がとめられていたので野次馬宜しく近寄ってみますと、「アニマル アンバランス」と書いてありましたので、知人に尋ねましたところ、事件や事故などに巻き込まれた野性動物の救助に当たる方の車とのことで、一般家庭の犬や猫は対象ではないということでした。さすがにイギリスです。

どうか、家族の一員として迎えた動物なら、天寿を全うするまで責任のある飼育を心掛けて下さい。命の大切さを知りましょう。